気温の激しい変化のせいか体調がいまいちのしんこです。
スーパーロングトレインも納車からもうじき5年。
車両本体やキャンパー装備は好調なのですが,当時購入した車載用品はメンテナンスや修理の話題が多くなってきました。
そんな感じで今回はDC電源延長ケーブルを修理したお話。
DC電源延長ケーブル
電動エアーコンプレッサーの電源やDELTA miniの走行充電で使用
2021年の5月に購入したDC電源延長ケーブル。
DC12V電源をシガーソケットから離れたところで使用するための延長ケーブルで,長さは3m。15Aのヒューズ付き。
スーパーロングトレインでは主にAstroAI 電動エアーコンプレッサーを駆動する電源として,また車載のポータブル電源 ECOFLOW DELTA miniを走行充電するために使用しています。
LED通電表示があるのにDELTA miniに充電しない
8月に行った夏の信州くるま旅でのこと。DELTA miniに充電しようと運転席のシガーソケットから延長ケーブルを延ばして接続したのですが,エンジンを始動してもDELTA miniが充電を開始するときに発するピッという音が聞こえません。
延長ケーブルのプラグについている赤色のLEDは点灯しているのに何で!?
プラグを点検
ヒューズを押すばねが黒く変色
帰宅後にプラグを分解してみました。
15Aのヒューズは正常。
ヒューズは+側の回路に挿入されていて,ヒューズホルダーの奥にあるコイルばねの作用でプラグの先端の+端子を押す役割を持っています。
それによりソケットの+端子にプラグの先端を確実に接触させ,通電するという構造です。
よく見ると,コイルばねは熱で変色して真っ黒。長さも縮んだままで塑性変形してしまっていて,全然伸びません。コイルばねと接しているヒューズの接点も真っ黒。
熱によるコイルばねの反発力低下や変色などにより引き起こされた接触不良ですね。
LEDはヒューズの2次側から+電源をとっているので,ヒューズが切れるなど導通が完全になければ点灯しないのでしょうが,LEDを点灯させる程度の微量な電流は流れていたのかも。
ヒューズが切れていないのだから過電流が流れたわけではないのですが,もともとこんな細いコイルばねとの接点に15Aも流せる感じがしません。だから発熱して黒くなっちゃったんでしょう。
とりあえず接点を回復させてみたけど…
とりあえずコイルばねとヒューズの接点を紙やすりで磨いて接触を回復させたのですが,コイルばねはもう正常に伸び縮みしないので,プラグの+端子をしっかり押す力はありません。
どっちみちあんな細い接点に大電流なんかもう怖くて流せませんよね。無理に使うとまた発熱して,最悪プラグが解けちゃったりするかも。
この時点で延長ケーブルを買いなおすか,プラグを信頼性の高いものに交換するかのどちらかにするしかないと判断しました。
新しい延長ケーブルかプラグを交換か
新品は同じ形状のプラグが多い
まずは新品交換しようと”DC12V 延長ケーブル”のキーワードでWebで検索したのですが,商品の外観から判断するに,今回不調になったプラグと同形状のものが多数。
同じ使い方をすれば,再びコイルばねが焼けるのは間違いなしなので,止めました。
プラグを交換する
次の作戦として,ケーブルとソケットに異常はないのでこれを流用し,プラグだけ交換することを考えます。
10Aの電流が流せて信頼できるプラグに。
さて,自動車用の電装パーツといえばエーモン。過去にリレーやヒューズボックスなどいろいろ使用していますが,品質的に問題となったことはなく,自分は絶対的な信頼を寄せています。
調べるとありましたよ。
10Aのヒューズを内蔵し,1.25sqのケーブルが1m付いたプラグ。
ケーブルは切りっぱなしなので,元の延長ケーブルとの接続に工夫が必要ですが,はんだ付けして絶縁すればいいので,これを買ってみることにします。
エーモン 1537 電源プラグ
開封の儀
ポチっとした翌日には到着。地元のホームセンターの半額近い価格で,翌日着荷。しかも送料無料。嬉しいのですがどういうからくりなんでしょうね。
商品の詳細はこちら。
開封して商品をチェック。
できればプラグ本体を分解して,1.25sqの付属ケーブルを撤去。延長ケーブルを直接プラグのターミナルにはんだ付けしたいと考えていたのですが,プラグは分解できそうにないので諦めですね。
ケーブル同士をはんだ付けする作戦で交換します。
プラグ交換
まずは延長ケーブルのフラグを切断。エーモン1537のケーブルは1mの長さがありますが,20cm程度で切断。
80cmがもったいない…と思いがちですが,直流の電源はやみくもにケーブルを長くしてしまうと電圧降下などの弊害が出るので,元と同じ3m程度の長さにするためです。
双方のケーブルの極性をテスターで確認して…
はんだ付け。
+-それぞれの接続部を直径4mmの収縮チューブで絶縁処理したあと,接続部全体を直径8mmの収縮チューブで覆ってしまいます。
このようにしておけば接続部がくねくねと折れ曲がることはありませんし,外観もまあまあの仕上がりになります。
はんだ付けする前に収縮チューブを通し忘れないように注意しましょう。
最後に+-の導通と極性確認を再度実施して完成です。
テストの結果は上々。
DELTA miniの走行充電テストでも発熱は全くありません。ちなみにDELTA miniのシガーソケット入力は6Aに設定しています。
これは供給側のカーメイト NZ586 増設電源ユニット ハイエース用プレミアムの最大電流出力が7Aの能力しかないためです。
まとめ
今回は接触不良という現象によりプラグ交換に至りましたが,DC12Vで大電流を流すときに怖いのは接続部や,ケーブルの容量オーバーによる発熱です。
プラグやソケットなどの接続部には接触抵抗が発生しやすく,それが原因で発熱するので注意が必要です。今回ケーブル同士の接続にギボシなどを使用せず,はんだ付けにしたのもそれを避けるために他なりません。
キャンピングカーの場合は,大電流を必要とする熱器具を負荷として使うことが多いと思いますので,プラグが発熱していないか,延長ケーブルに異常がないかをしっかり点検しましょう。