ランニング中に桜を観察しながら花見のタイミングを計っているしんこです。
今回はエスビット ポケットストーブ用のアルコールバーナーを自作したお話。
エスビット ポケットストーブにぴったりで収納もできるようなアルコールバーナーはないの?
市販はされていないけどWeb上には作例がたくさん
ダイソーのメスティンとほぼ同時に導入したエスビット ポケットストーブ。
固形燃料を使用しての炊飯は大成功。
ただ,このポケットストーブをいろいろな場面で活躍させようとしたとき,毎回完全に燃やし尽くす必要がある固形燃料では不経済になる可能性も出てきます。
燃焼時間を任意にコントロールできて,できればポケットストーブに収納可能な火力として浮かんだのがアルコールバーナー。
Webで検索してみましたが,ポケットストーブに収納可能な小型の物は市販されていませんでした。ヤフオクなどには自作したものが出品されたりしていますが,高価なので買う気もしません。
さらに調べを進めていくと,100均で販売されているアルミケースを素材にアルコールバーナーを自作した記事に遭遇。これなら自分でも作れそうだということで挑戦してみました。
小型のアルコールバーナーを自作する
材料の調達
もともと手を動かすことは好きですから,早く作ってみたくて速攻で材料を調達。
まずは本体となるセリアのクリームケース。アルミ製の30gサイズ。
そしてamazonではカーボンフェルト。
最後に近所のホームセンターでステンレスメッシュを。量り売り最小長さの10cmで価格は¥130程度。
長さは10cmでも幅があるので、アルコールバーナーの材料としてはたっぷり採れますよ。
自作アルコールバーナーの製作
最初にカーボンフェルトをクリームケースの内径に合せて丸く切り出します。
フリーハンドで真円を切るのは難しいので,治具になる物はないかと探したところ,こちらの模型用塗料の薄め液の瓶が近い寸法で使えそう。
クリームケースの中に入ってるサーフェーサーの瓶は小さくてダメ。不採用。
この瓶をガイドにしてカーボンフェルトをカッターで丸く切ります。
クリームケースの深さ一杯に詰めるには4枚必要。そこそこのできだな。
次にクリームケースより大きめの寸法にステンレスメッシュをカットし,クリームケースに被せて型をとります。
このまま余分な部分を金切りばさみで切除。クリームケースの深さの2/3くらいまで入るくらいの感じでちょうど良いです。
最後にステンレスメッシュでカーボンフェルトを包むようにしてクリームケースに嵌め込めば完成。
ステンレスメッシュを嵌め込むときにストレスをかけすぎるとメッシュの格子が歪むのでなかなか難しい。
歪んでいても機能上は問題ないのですが,自分は外観も気にするので納得いかずに作り直し。
重要なのはステンレスメッシュの切断寸法と,端から少しずつ素直に嵌め込むこと。何度か失敗を繰り返すうちにコツを掴むことができました。
まだ完璧ではないですが,これくらいで妥協します。
スタッキング
完成したアルコールバーナーをエスビット ポケットストーブに収納してみます。
カバーがわずかに開いていますが許容範囲かな。
因みにアルコールバーナーの蓋を付けずに収納すればカバーは完全に閉じます。
これで今回アルコールバーナーを自作した目的の一つ目は達成できました。しかし実はまだ重要な理由があるのです。
アルコール燃料を燃焼させてみる
期待と不安の燃焼実験
完成したので燃焼試験に入ります。
準備したアルコール燃料はこちら。
近所のドラッグストアでも入手できるので調達の心配がないのはありがたい。
ドラッグストアでは500mlで税込み¥526なので,30mlで米1合を炊飯できるとすると16.7回分で1回あたりのコストは¥31.5。
対する固形燃料は1回分30g×3個入で税込み¥110。1回あたり¥36.6の計算になるので,燃費としてはいい勝負かな。
初めての燃焼試験は燃料を控えめに10ml注入。燃料の計量と注入にはシリンジを使用します。
恐る恐る着火した結果は…安定して燃焼しました。大成功です。
アルコール燃料の注入量
アルコールバーナーは基本的に火力の調整は不可能で,1回使うごとに燃料を燃やし尽くします。この点においては固形燃料と同様ですが,燃焼時間を燃料の注入量で調整できるところがミソ。
ただし燃料の注入は着火前に済ませるのが大原則。間違っても燃焼中に燃料を補充したりしてはいけません。注いだ燃料に引火するので大変危険です。
燃料の注入量で燃焼時間を調整できるメリットとしては,メスティンで米1合より少ない量,例えば0.5合を炊飯しようとしたとき,固形燃料では1個単位でしか取り扱うことができないので,点火したらほったらかしの半自動炊飯は不可能になりますし,燃料の半分は無駄に燃焼させなければならないことになります。
アルコールバーナーなら燃料の量を半分にするなど任意に調整ができるので,米0.5合でもほったらかし炊飯が可能になります。
これがアルコールストーブを自作したもう一つの重要な理由。
米1合は自分にとっては多いので,0.5合炊飯を可能にしたかったんです。
これからはアルコール燃料が何mlでどれくらいの仕事をしてくれるのか,データを蓄積していけばOK。
今のところ取得しているデータとしては,メスティンで米0.5合を炊くときに必要なアルコール燃料が18mlといったところ。
実験としてダイソーメスティンで米1合を炊いたときに説明書通りの30mlでやってみたら,ちょっと加熱時間が少なかったかなという炊き上がりだったので,0.5合炊きに合わせて30mlを半分にした15mlに,エイッと3ml加えたというのがその根拠。
既に数回18mlで0.5合炊飯していますが炊け具合はばっちりです。
データを蓄積するといっても,アルコールバーナーの用途は炊飯に特化しているのでとりあえず充分だったりします。
まとめ
エスビット ポケットストーブ用に自作したアルコールバーナー。
コンパクトなサイズや燃焼時間を任意に設定できる機能性など,今のところ固形燃料を凌駕してます。
自分はポケットストーブの数に合わせて2個製作。
カーボンフェルトとステンレスメッシュはまだ余ってますので,クリームケースさえ調達すればあと3個くらいは作れます。
自作というとハードルが高く感じられるかもしれませんが,材料費もそれほどかかりませんし,コツを掴めば簡単に量産できるくらいの物ですので興味ある方はぜひ挑戦してみてください。